20代理容師「右腕を失うわけにはいかなかった────」クマと死闘し左眼球を抉り生き残る (161)

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27 エッヂの名無し 2025/10/13(月) 10:54:54.310 ID:D6GsyHWL8

勝ってて草


 何とかクマを倒してその上に乗ると、右肘をクマの喉元に押し当て、グッと力の限り圧迫した。

 幾度かその攻撃を続けているうちに、呼吸の自由を奪われたクマは泡を吹いて痙攣を始めた。この時点で越中谷さんは死闘の終わりが近いことを感じた。

 初めて、腰のナタを意識する。とどめはナタで――。

 だが、そのナタが鞘から抜かれることはなかった。

 苦闘するクマがばたつかせた脚の爪がリュックに引っかかり、越中谷さんの体勢が崩れたのだ。隙を突いて逃れたクマは、今度こそ背を向け、沢の脇の藪の方へと姿をくらましたのである。

 時間にして、およそ20分にも及ぶクマとの戦いだった。